相手のキング以外の駒を全部取ったのに、なぜか引分けになったにゃ。。。どうしてにゃ?(泣)
それはね、ステルメイトになっちゃったんだね。
ステルメイト?。。。なにそれ?
ステルメイトについて解説していくね。
ステルメイトとは?
ステルメイトとは、「動かせる駒がない」状態のことを指します。
ステルメイトが発生してしまった場合、試合は引分けとなります。
これを聞いただけだとさっぱり意味がわからないと思うので、具体的な例でわかりやすく解説していきます。
問題:
黒の番です。黒の最善手を見つけてください。
答え:
黒は、自身の駒を動かすことができません。よってステルメイトとなり、引分けになります。
- 黒のa6,b5ポーンは、前進させることができません(白ポーンが目の前にいるため)。
- 黒のキングもまた、移動することができません(g7、h7に黒キングを移動させようとすると白ルークに取られてしまい、黒キングをg8に移動させようとすると、白ビショップに取られてしまうため)。
結果的に、白は、勝利を目前に相手をチェックメイトできず、引分けになってしまいました。これは、白としてはかなり悔しいはずです。
では、どうやったら、ステルメイトを防ぐことができるでしょうか。具体的なテクニックをみていきましょう。
ステルメイトの予防テクニック(勝っているとき)
あなたが勝っているとき、ステルメイトの罠に陥らないテクニックは3つあります。
- 相手の駒を全部とらない
- ステルメイトのパターンを認識しておく
- 相手をチェックし続ける
詳しくみていきましょう。
相手の駒を全部とらない
ステルメイトとは、 相手が「動かせる駒がない」 ことで発生します。つまり、相手が動かせる駒を残しておくことで、ステルメイトを防げるということです。
では、どの駒を取らずに残しておくべきか。答えは簡単、「♟ポーン」です。
ポーンは前に1マスずつしか前進できないので、相手のポーンのプロモーション(ポーンがクイーンに進化すること)さえ注意すれば大丈夫です。
この点を踏まえ、さっそく問題です。
問題:
白の番です。白はステルメイトを防止するため、黒のb6またはd4のいずれかのポーンを取らずに残そうと考えています。白は、どちらのポーンを取る・残すべきでしょうか。
答え:
白 | 黒 |
Qxd4 |
白がステルメイトを防止のため、いずれかの黒のポーンを残したいのであれば、d4の黒ポーンを取り、b6の黒ポーンを残すのが正解です。
なぜなら、黒のd4ポーンはb6ポーンに比べ、プロモーションできる可能性が高いからです。
解説:
- 黒b6のポーンが前進し、b3のマスまで到達した場合、白のa2ポーンで黒のポーンを取ることができます。一方、黒のd4ポーンは、相手のポーンに道を阻まれることなく、プロモーションを狙うことができます。
- プロモーションまでにかかる手数が黒のd4ポーン(3手)がb6ポーン(5手)より短く、危険性が高いため、白は黒d4ポーンを先に始末するのが正解です。
ステルメイトのパターンを認識しておく
ステルメイトとなりうるパターンを認識していれば、それを予防することができます。
では、いくつかのステルメイトのパターンをみていきましょう!
パターン1:
クイーンで相手のキングをa1,a8,h1,h8(四隅)のいずれかに追いつめてしまう。
白のクイーンが見張っているため、黒のキングはh7,g7,g8に動かすことができません。黒の番であればステルメイトとなります。
パターン2:
クイーンとキングで相手のキングの逃げ道を潰してしまう。
白がクイーンとキングでd7,d8,e7,f7,f8のマスを見張っているため、黒のキングは動かすことができません。黒の番であればステルメイトとなります。
パターン3:
プロモーションを狙う際、打ち方の順番をミスしてしまい、ステルメイトとなってしまうパターン。
白がポーンとキングでd7,d8,e7,f7,f8のマスを見張っているため、黒のキングは動かすことができません。黒の番であればステルメイトとなります。
エンドゲームでは、どの順番で手を打つかが非常に重要です。勝っている局面においても、打ち方を間違ってしまうと上記のようにステルメイトとなってしまう可能性があります。
相手をチェックし続ける
常に相手をチェックしていれば、ステルメイトになることはありません。相手をチェックし続け、相手のキングを動かすこと・逃がすことができない場合、チェックメイトとなります。
しかし、常に相手をチェックし続け、チェックメイトに持ち込むには複数の強い駒(クイーン等)が必要です。
相手をチェックし続け、チェックメイトに持ち込む方法を1つ紹介します。
問題:
白の番です。相手のキングを攻撃しつづけ、チェックメイトまで持ち込んでください。
答え:
白 | 黒 |
Qb6+ | Kd7 |
Rc7+ | Kd8 |
Qb8# |
これは最も簡単なチェックメイトパターンです。本チェックメイトパターンにおいて、常に白クイーンがルークを守っているため、黒キングは白ルークを取ることができません。
また、上記の棋譜の赤文字(+)をみていただけるとわかるように、常にチェックが発生しています。チェックの連続からチェックメイトすることができました。
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ステルメイトを誘う・狙うテクニック(圧倒的に負けているとき)
圧倒的に負けているとき(例:相手が1つ余分にクイーンやルークを持っている状態)、引分けに持ち込めるとラッキーって感じで嬉しいですよね。
ここでは、圧倒的に負けているときにステルメイトを誘うためのテクニックを紹介します。
- 自分のすべてのポーンを動けない状態まで持ち込む
- キングの逃げ方を工夫する(※運だより)
- ルークやクイーンなどの強い駒を一つだけ残しておく
自分のすべてのポーンを動けない状態まで持ち込む
ステルメイトの条件は、 「動かせる駒がない」 ことです。そのため、まず、すべてのポーンを相手に取らせる or 動かせない状態まで前進させましょう。
上記局面の場合、白はポーンをa2-a4まで動かすことでキング以外に動かせる駒がなくなりました。
キングの逃げ方を工夫する(※運)
本記事でもステルメイトのパターンを3つほど紹介していますが、ステルメイトのパターンを知っておくことで、どのようにキングを逃がす・動かしたらステルメイトに誘導しやすいかが分かるようになります。
では、キングの逃げ方の具体例をみていきましょう。
本記事のステルメイトパターン2で紹介したポジション(黒キング、白キング、白クイーンの位置)を頭にいれてください。
それでは問題です。
問題:
白の番です。白のキングは黒のクイーンにチェックされています。白のキングは、e1かg1どちらのマスに逃げるべきでしょうか。
答え:
白 | 黒 |
Ke1 | もしKd3かKe3なら、ステルメイト! |
白はKe1と逃げることで、ステルメイトの罠を仕掛けることができました。上記図のように、黒がKd3またはKe3と移動した場合、白はキングを含むすべての駒を動かすことができなたいめ、ステルメイト(引分け)を勝ち取ることができました(黒はチェックメイトの好機を逃しました)。
ルークやクイーンなどの強い駒を一つだけ残しておく
ルークやクイーンなどの強い駒を1つだけ残し、ステルメイトに強制的に持ち込む方法をご紹介します。
- まず自分のすべてのポーンを相手に取らせる or 動かせない状態まで前進させます。
- その次に自分のキングを動かせない状態のポジションを作ります。
- 最後まで残しておいた強い駒を強制的に相手に取らせ、ステルメイトを勝ち取りましょう。
それでは具体例を見ていきましょう。
問題:
白の番です。 白の最善手でステルメイトまで持ち込んでください。
→白は自分のすべてのポーンを相手に取らせる or 動かせない状態まで前進させ、自分のキングを動かせない状態まで持ち込みました。
いま白が動かせるのはクイーンのみです。
答え:
白 | 黒 |
Qh8+(Qh7でもよい) | Kxh8 ステルメイト |
白は、白クイーンを強制的に取らせることにより、 「動かせる駒がなくなり」 ステルメイトに持ち込むことに成功しました。
まとめ
引分けに持ち込むというのも、非常重要な技術です。勝っているときは、最後まで勝ち抜けるように、ステルメイトを避けながらゲームを終わらせる必要があります。
一方、負けているときは、同点に持ち込めるチャンスのため、どのようにステルメイトの形に持ち込むかを頭の片隅で考えておきましょう。
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