ロンドンシステムとは、白が相手の指し手にほとんど関係なく、d4・Bf4・e3・Bd3……とほぼ決まった順で駒を並べていく「システム定跡」です。 変化を1つ1つ暗記しなくても同じ形にたどり着けるので、覚える手が少なく、初心者や「アプリで再開したけど定跡は忘れた」という再開組の方にとても向いています。まずこの1つを持っておけば、白番の序盤で迷子になりません。
この記事でわかること
- ロンドンシステムとは何か、「システム定跡」の意味
- なぜ覚える手が少なく、はじめての方にやさしいのか
- 動く盤面で見る「基本の駒組み」の完成形
- 黒の…c5・…Qb6への注意点と、やりがちなミス
1.d4 d5 2.Bf4 まで進んだ局面。この形が出発点です。ここから先の枝分かれを、下でくわしく見ていきましょう。
ロンドンシステムとは?「システム定跡」の意味をやさしく解説
ロンドンシステムとは、白が使う駒組みのパターンで、相手の応手に合わせて変化を覚え込む代わりに、自分の形を先に決めてしまう定跡です。 ポーンをd4に出し、ビショップをf4に展開するのが目印。多くのオープニングが「相手がこう来たらこう返す」の丸暗記になりがちなのに対し、ロンドンは「自分の並べ方」を1つ覚えれば済むのが最大の特徴です。
なぜ覚える手が少なく、はじめての方にやさしいのか
理由はシンプルで、ロンドンは駒の「置き場所」がほぼ固定されているからです。 黒がどんな守り方をしてきても、白は同じマスを目指して並べていけるので、序盤で暗記の量がぐっと減ります。ブランクがあって定跡を忘れた再開組の方ほど、恩恵が大きい定跡です。
白が目指す基本の置き場所は、次の通りです。
- ポーン:d4・e3・c3・h3
- ビショップ:f4(黒マス)・d3(白マス、Be2でも可)
- ナイト:f3・d2(Nbd2)
- 準備ができたらキャスリング(O-O)で王を安全に
動く盤面で見る:ロンドンシステムの基本駒組み(完成形)
代表的な手順の一例は 1.d4 d5 2.Nf3 Nf6 3.Bf4 で、ここからe3・Bd3・c3・Nbd2・h3と並べれば基本形が完成します。 相手が同じようにd5・Nf6と穏やかに来た場合の、いちばん素直な並べ方を見てみましょう。

並べる順番のポイントはこうです。
- d4 でセンターを取り、Nf3 で自然に展開。
- Bf4 を早めに出す(c1のビショップを、自分のポーンでふさぐ前に外へ出すのがコツ)。
- e3 でもう片方のビショップの道を開け、Bd3(またはBe2)へ。
- c3 で中央のd4を支え、Nbd2・h3 で形を整えたらキャスリング。
黒の…c5・…Qb6には注意:ロンドンの数少ない急所
ロンドンで一番気をつけたいのは、黒が…c5でd4を突き、続けて…Qb6でb2ポーンとd4を同時ににらんでくる形です。 「同じ形でいいや」と手を抜くと、b2のポーンや中央が一気に負担になります。ここだけは、守りの手をひと呼吸考える場面です。
- 黒の…c5は、白の中央d4への挑戦。取り合いになることもあります。
- 続く…Qb6は、b2ポーンとd4の両方をにらむ嫌な一手。
対応の方向性としては、b2を守る・クイーンをぶつけて交換を挑む・中央の駒を整える、といった「守ってから並べ直す」動きが基本になります。具体的には、3.e3 c5 4.c3 Qb6 に対して 5.Qb3 とクイーンをぶつけるのが分かりやすい受け方です。交換になれば b2 の心配が消え、白はそのまま Nbd2・Bd3 と並べ直せます。丸暗記より「b2 と d4 が狙われている、まず守る」と理解しておくのが実戦的です。
初心者がやりがちな3つのミス
ロンドンは事故が少ない定跡ですが、それでも「並べるだけ」で油断すると次のような失敗が起きます。
- ビショップをf4に出す前にe3を先に指してしまう(c1のビショップが自分のポーンで閉じ込められる)。
- 同じ形にこだわりすぎて、…c5・…Qb6の攻撃を守り忘れる(b2をタダで失う)。
- キャスリングを後回しにして王が中央に残る(せっかくの安全な定跡なのに王が危険にさらされる)。
ロンドンを実戦で身につける練習法
ロンドンは知識より「同じ形を何度も並べて体で覚える」タイプの定跡です。 おすすめは、白番で意識的にロンドンを選び、実戦とパズルを往復すること。Chess.com なら白番の対局数をこなしやすく、序盤で並べる練習を繰り返せます。
- 白番になったら、まずd4→Bf4の並べ順を毎回声に出して確認する。
- 崩れた対局は、どこで…c5・…Qb6を守り損ねたかを盤面で見返す。
まとめ
- ロンドンシステムとは、白が使う駒組みのパターンで、相手の応手に合わせて変化を覚え込む代わりに、自分の形を先に決めてしまう定跡です。
- 理由はシンプルで、ロンドンは駒の「置き場所」がほぼ固定されているからです。
- 代表的な手順の一例は 1.d4 d5 2.Nf3 Nf6 3.Bf4 で、ここからe3・Bd3・c3・Nbd2・h3と並べれば基本形が完成します。
- ロンドンで一番気をつけたいのは、黒が…c5でd4を突き、続けて…Qb6でb2ポーンとd4を同時ににらんでくる形です。
- ロンドンは知識より「同じ形を何度も並べて体で覚える」タイプの定跡です。
迷ったら、この記事の図をもう一度見て、同じ形を実戦で1回だけ狙ってみてください。1回できれば、次から自然に見えてきます。
よくある質問(FAQ)
ロンドンシステムは黒番でも使える?
ロンドンとイタリアンゲームはどう違う?
覚える手が少ないなら、これだけ指していれば強くなれる?
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まずは「d4→Bf4を外に出してからe3」「…c5・…Qb6が来たらb2を守る」の2点だけ持って、次の白番でロンドンを1回並べてみてください。並べ切れたら、あなたはもう「自分の型を持つプレイヤー」です。
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