イタリアンゲームとは、1.e4 e5 2.Nf3 Nc6 3.Bc4 で始まるオープニングです。 ビショップをc4に出し、相手陣で一番弱いマスf7を早くから睨むのが狙い。手順が分かりやすく、駒が自然に働く形になるので、これから定跡を覚え直したいはじめての方が最初に手を出す一手としてぴったりです。
この記事でわかること
- イタリアンゲームの意味と、3手の狙い
- なぜ
1.e4 e5 2.Nf3 Nc6 3.Bc4の順番なのか - 3手目からの2大分岐(ジウォコピアノ/トゥーナイツ)
- フライドリバーなど「食らうと痛い」注意点
1.e4 e5 2.Nf3 Nc6 3.Bc4 まで進んだ局面。この形が出発点です。ここから先の枝分かれを、下でくわしく見ていきましょう。
イタリアンゲームとは?意味と狙いを一言で
イタリアンゲームとは、ビショップをc4に展開してf7のマスを狙う古典的なオープニングのこと。 手順は 1.e4 e5 2.Nf3 Nc6 3.Bc4。f7は黒のキングしか守っていない「一番薄いマス」なので、そこに早く圧力をかけるのがこの定跡の背骨です。

初心者にイタリアンが勧められる理由は、この「狙いが1つに定まっている」点です。手が分からなくなっても「f7を睨む・中央を張る」という軸に戻れば大きく外しません。まず1つ武器を持ちたい人は、初心者が最初に覚える定跡もあわせて読むと全体像がつかめます。
基本手順:なぜ 1.e4 e5 2.Nf3 Nc6 3.Bc4 なのか
それぞれの手には役割があります。1手目で中央を取り、2手目で相手のポーンを攻めつつナイトを展開し、3手目でビショップをf7方向に向ける。 この3手で「中央・駒の展開・弱点狙い」が同時に進むから、無駄がありません。
- 1.e4:中央のe4を確保し、ビショップとクイーンの通り道を開ける。
- 1…e5:黒も対称に中央を張り、真っ向から受ける。
- 2.Nf3:黒のe5ポーンを攻撃しながらナイトを好位置へ。攻めと展開の一石二鳥。
- 2…Nc6:e5をナイトで守りつつ展開。
- 3.Bc4:ビショップをf7に向けて据える。イタリアンの一手。
3手目からの2大分岐:ジウォコピアノとトゥーナイツ
3.Bc4 のあと、黒の応じ方で大きく2つに分かれます。3...Bc5 がジウォコピアノ、3...Nf6 がトゥーナイツディフェンスです。 前者はお互い静かに組む展開、後者は黒がf7を守らずに反撃を狙う激しい展開になりやすいのが特徴です。
| 分岐 | 3手目の黒の手 | 性格 | ざっくり方針 |
|---|---|---|---|
| ジウォコピアノ | 3…Bc5 | 静かに組み合う | 中央をゆっくり作り、駒得より陣形重視 |
| トゥーナイツ | 3…Nf6 | 激しく反撃 | f7を守らず、白のe4やf7突撃を逆手に取る |
ジウォコピアノ(3…Bc5):静かに組む王道
ジウォコピアノでは、白は 4.c3 でd4突きを準備するか、4.d3 でさらにゆっくり組む「ジウォコピアニッシモ」を選びます。 どちらも中央をじっくり作る狙いで、いきなり潰し合いにはなりません。
- 4.c3:次に d4 と突いて中央を広げる準備。攻めたい人向け。
- 4.d3:ビショップの通り道を確保しつつ、超スロー展開(ジウォコピアニッシモ)。安全志向。
- 4.b4!?(エバンスギャンビット):ポーンを1つ捨てて手数と中央を稼ぐ、昔ながらの攻撃的な仕掛け。
トゥーナイツ(3…Nf6):f7突撃とフライドリバー
トゥーナイツに対して白が 4.Ng5 と跳ねると、f7を集中攻撃する激しい展開になります。この筋から生まれる仕掛けが「フライドリバー(Fried Liver)」です。 決まれば黒のキングを引きずり出せますが、無理に狙うと逆に白が損をしやすい、諸刃の剣です。
手順の流れはこうです(白がf7を狙う典型例)。
- 4.Ng5:ナイトをg5に跳ね、f7を狙う(同時にビショップc4もf7を睨んでいる)。
- 4…d5:黒はまず中央を突いて反撃。ここで 5.exd5 と取る。
- 5…Na5:黒の主な受け。c4のビショップを攻めて手を稼ぐ、堅実な道(ポレリオ・ディフェンス)。
- もし黒が 5…Nxd5 と取り返すと、6.Nxf7!?(フライドリバー)が成立し、キングを釣り出す激しい戦いになります。
1.e4 e5 2.Nf3 Nc6 3.Bc4 Nf6 4.Ng5 の局面。g5 のナイトと c4 のビショップが、そろって f7 をにらんでいます。f7 を守っているのは e8 のキングだけなので、次に Nxf7 や Bxf7+ が来ます。

※フライドリバー以降の細かい最善手順(6.Nxf7 のあとの応酬など)は変化が深く、局面ごとに評価が分かれます。ここでは「入口の考え方」までを扱い、踏み込んだ最善手順は別記事で扱います。
イタリアンゲームで初心者がやりがちなミス
イタリアンは狙いが分かりやすい反面、「f7を狙うことに夢中で自陣がガラ空き」になりがちです。 攻めと展開のバランスを崩す3つのミスに気をつければ、それだけで勝率が変わります。
- ナイトを早く4.Ng5と跳ねすぎる:相手がしっかり受けられると、跳ねたナイトが的になって時間を損する。
- キャスリングを後回しにする:攻めを急いでキングを中央に残し、逆に反撃で王様が危なくなる。
- c4のビショップをタダで追われる:相手の …d5 や …Na5 を軽視して、ビショップが何度も逃げるハメになり手数を損する。
イタリアンの定跡を身につける練習法
定跡は暗記より「同じ形を繰り返し指して体に覚えさせる」のが近道です。 イタリアンは登場頻度が高いので、実戦とパズルを回すだけで自然と手が慣れてきます。
- 序盤3手(
1.e4 e5 2.Nf3 Nc6 3.Bc4)を毎回同じように指し、まず入口を固定する。 - ジウォコピアノかトゥーナイツ、どちらか片方を「自分の道」に決めて集中的に指す。
- 負けた対局は、どの手でf7の狙いや中央が崩れたかを盤面で振り返る。
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似た「狙いが分かりやすく、繰り返し同じ形に持ち込める」オープニングを白番でもう1つ持ちたいなら、ロンドンシステムもおすすめです。
まとめ
- イタリアンゲームとは、ビショップをc4に展開してf7のマスを狙う古典的なオープニングのこと。
- それぞれの手には役割があります。1手目で中央を取り、2手目で相手のポーンを攻めつつナイトを展開し、3手目でビショップをf7方向に向ける。
- 3.Bc4 のあと、黒の応じ方で大きく2つに分かれます。3…Bc5 がジウォコピアノ、3…Nf6 がトゥーナイツディフェンスです。
- ジウォコピアノでは、白は 4.c3 でd4突きを準備するか、4.d3 でさらにゆっくり組む「ジウォコピアニッシモ」を選びます。
- トゥーナイツに対して白が 4.Ng5 と跳ねると、f7を集中攻撃する激しい展開になります。この筋から生まれる仕掛けが「フライドリバー(Fried Liver)」です。
迷ったら、この記事の図をもう一度見て、同じ形を実戦で1回だけ狙ってみてください。1回できれば、次から自然に見えてきます。
よくある質問(FAQ)
イタリアンゲームとルイロペスの違いは?
3.Bc4(f7を狙う)、ルイロペス(スパニッシュ)は 3.Bb5(c6のナイトに圧力)。イタリアンの方が狙いが直線的で、初心者に理解しやすいです。黒番でイタリアンを受けるには?
3...Bc5(ジウォコピアノ)でゆっくり組むか、3...Nf6(トゥーナイツ)で反撃するかを選びます。まずは扱いやすい 3…Bc5 から入るのが無難です。フライドリバーは覚えるべき?
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まずは 1.e4 e5 2.Nf3 Nc6 3.Bc4 の3手を、次の対局で迷わず指せるようにするところから。入口が固まれば、ジウォコピアノもトゥーナイツも「その先の選択」として楽しめるようになります。
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