チェスにおける引き分けとは?【チェス】

shakehands ・ルール

引き分けとは?

 引き分けは英語でドロー(Draw)といいます。日本のチェス大会でも、引き分けという単語よりも、ドローという単語をよく使います。

 チェスにおいて引き分けとは、言葉通り試合に勝敗がつかないということです。いわば、チェックメイト、投了、時間切れなどが試合で発生しないということです。

 実は、チェスの試合もプロのトップレベルになると、勝敗がつくよりも、引き分けになる頻度の方が多くなります。これには具体的な事例があります。

AIコーチ棋譜分析問題集等

※年払いで最大42%OFF

 Chessbase.comが、1971年から2017年のうち、白・黒両者のレーティングが2600以上(グランドマスターレベル)の合計78,468試合の勝敗を分析しました。
 その結果、白が勝利した試合は28.9%、黒が勝利した試合は18.0%、引き分けに終わった試合は53.1%となりました。
このように、トップ層のプロ達の試合では、引き分けが半数以上の試合を占めるという結果になりました。

出典:  Chessbase.com

 つまり、チェスでミスをしない場合は高確率で引き分けになると解釈できます。

 しかし、初心者から上級者にかけて(≒プロ以外)の場合、どうしても試合でミスをしてしまいます。そのため、試合の半分が引き分けになるということは想定しづらく、ポジキャンの経験上ではプロ以外のプレーヤー間の試合では約1〜2割の試合が引き分けにとどまるイメージです。

 一言で「引き分け」といっても、いくつか種類があります。詳しく見ていきましょう。

引き分けには4つのパターンがある

 引き分けには、4つのパターンがあります。

  • ステルメイト(Stalemate)
  • 同じポジションが3回繰り返されたとき(Three-fold repetition)
  • 白と黒の両プレーヤーが引き分けに応じたとき
  • 50手前の局面とポーンの形が変わらないとき

ステルメイト(Stalemate)

 ステルメイトとは、自分・相手のターンになったにもかかわらず、「動かせる駒がない」状態のことを指します。
ステルメイトが発生してしまった場合、試合は引き分けとなります。

 ステルメイトは少し難しいので、以下の記事で例を入れながらわかりやすく解説しています。是非ご覧ください。

 ステルメイトとは?予防・誘導テクニックをご紹介!【チェス】

3回同じポジションが繰り返されたとき

 全く同じポジションが3回発生した場合は、引き分けになります。この状態の解釈としては、「同じポジションが3回も続くということは、どちらも譲らず、試合を前進させるつもりないよね。では、ルールに従ってドローにします。」ということです。

 3回同じポジションが続くというのは具体的にどういうものなのか見ていきましょう。

問題:

 白の番です。最善手を見つけてください。(もし白が何もしなければ、黒は次のターンRa1#とチェックメイトしてくるため、白が試合に負けてしまいます。)
 

答え:

 圧倒的に負けているときは、3回同じポジションを作り、ドロー(引分け)に持ち込みましょう。

Qe8+(1回目)Kh7
Qh5+Kg7
Qe8+(2回目) Kh7
Qh5+ Kg7
Qe8+(3回目=ドロー)
1/21/2

 

three-fold repetition

白と黒がドローに同意した場合

 また、白と黒が引き分けに同意した時、試合はドロー(引き分け)となります。

 プレイヤーは、自分が手を打ったあとに、引き分けを提案する(ドローオファーをする)ことができます。

 このドローオファーは、相手が次の手を打つまで有効となり、相手が1手を打つと効力をなくしてしまいます。ドローオファーを受けた際、引き分けにしたければ、1手を打つ前に相手と握手し、ドローを選ぶ旨伝えましょう。

 ドローオファーは、一試合に何回でもすることができます。

50手以上、盤面のポーンの形に変化が生まれなった場合

 これは極めて稀ですが、50手以上手を打っても、ポーンの位置が変わらない場合、ルール上、引き分けとなってしまいます。

 例えば、 ナイト×1とビショップ×1のチェックメイトはとても複雑で、ミスをしてしまうと50手以内に相手をチェックメイトできない場合が生じてしまいます。その場合、本ルールが適応され、引き分けとなってしまいます。

 いかがでしたでしょうか。今回は、チェスにおける引き分けについて解説しました。

 前述の通り、引き分けとなるパターンは意外と多く、実際の大会でもよく見られます。初心者にとっては勝敗が決まらないということで、なんともすっきりしないかもしれませんが、それもまたチェスの醍醐味・面白さでもあります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました